【ゲーム】『ゼノブレイドDE』(2020)感想・レビュー:作りこまれた世界観と最高の音楽で物語にどっぷり浸れる名作

※総評の後にゲーム本編のネタバレがあります(ネタバレのタイミングで警告文を出すのでご安心を)

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©2010-2020 Nintendo / MONOLITHSOFT

今回レビューするのは、『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』(以下、ゼノブレイドDE))です。

本作は、2020年にNintendo Switchで発売されたモノリスソフト開発のRPGで、2010年にWiiで発売された『ゼノブレイド』のリマスター版にあたります。

ゼノブレイドは発売当時からユーザーおすすめランキングや海外のレビューでも神ゲーと評価されていて、ずっとプレイしてみたかったのですが、なかなかRPGをプレイするきっかけが無く、今回ブログを書くということでこれ幸いと挑戦してみました。

今、プレイを終えて余韻に浸りながら記事を書き始めたのですが、一つの世界を生き抜きぬいた心地よい疲労感に包まれています…

メインストーリークリアしかしていない状態なので、プレイ時間は40時間弱。それでこの感想ですから、サブクエストやマップ埋めなどやりこみ要素を全部こなせば100時間は遊べて、さらに奥深い体験ができることでしょう。

それでは、僕が感じたおすすめポイント、もう一声欲しかったと思ったポイントをレビューしていこうと思います。

あらすじ

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巨神と機神。かつて、互いの存亡をかけて戦った、二柱の神。壮絶な戦いの果てに、神は骸となり、やがて生命の栄える大地となった。
幾千の月日が過ぎ、人々の生きる巨神界には機神界の生命体「機神兵」によって蹂躙され、存亡の危機に立たされていた。容赦のない殺戮に、為す術なく喰われていく人々。主人公シュルクは、彼らを守るために一振りの剣を握る。

と、あらすじだけを読んでもイメージすらなかなかできない途方もない設定ですよね

壮大な世界観に下支えされる王道ストーリー

ストーリーは、主人公の少年シュルクが行く先々で仲間と出会い、時に別れを経験して成長していくといった王道の成長譚。

序盤からイベントシーンは手に汗にぎる展開が多く、新たな場所に行くたびに世界の真実が少しずつ明らかにされるので、ダレを感じることはありませんでした。

ただ、基本話の筋は王道から外れるものではなく、中盤もう少しひねりがあっても良かったですかね(王道RPGなんだからそういうものだと言われれば確かにそうです)

むしろ、特筆すべきは世界観の作りこみです。

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©2010-2020 Nintendo / MONOLITHSOFT

とにかくマップ細部の作りこみが凄まじいです。

街に住む人々の様子とか各エリアの生態系とかをぼーっと眺めていると、ちゃんとそこに生命が息づいているかのように感じられるんです。

本作は、人々が2体の巨神の骸の上で暮らしているという荒唐無稽な設定ですが、ほぼオープンワールドともいえる雄大なマップを時間をかけて練り歩いて、こうした細部の作りこみを見ていると、気が付いたらゼノブレイドの世界に没入しています。

こうしたマップひいては世界観の描き込みはストーリーを下支えし、キャラがその世界に生きているというリアリティに間違いなくつながっていると感じました。

個人的には広大で美しいけど、どこかもの悲しさを感じる景色が骸の上に成り立つゼノブレイドの世界観をまさに表現しているなと思います。

ゼノブレイドといえば外せない世界観とマッチした神曲たち


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ゼノブレイドを語るうえでサウンドは欠かせません!

スマブラなどでも聞けるので、ご存じの方も多いと思いますが、ゼノブレイドは戦闘曲、エリアマップの曲など、どれも世界観とマッチした素晴らしい曲ばかりです。

バトル中は緊迫感のあるBGMが戦闘を盛り上げ、マップ上では雄大なBGMで冒険の雰囲気に浸ることができます。

中でも個人的には「敵との対峙」というイベント中に流れるBGMが一推しですね。

この曲、実はプレイ以前にも聞いたことはあったのですが、プレイしてからの方が圧倒的神曲だと感じました。

というのも、この曲はイベントシーンの中でも決定的なシーンでかかっていて、もはやゼノブレイドの名場面を挙げれば大体この曲とセットになっているからです。

聞けばドラマチックなメロディーと共に残酷な運命に立ち向かうシュルクたちの姿が目に浮かんできます。

記事を書いている今も試しに聞いてきましたが、聞くだけで否応なしに滾ってきました!許せねぇ黒いフェイス!

パーティーメンバーの活躍はもう一押し欲しかったかも

ここからはもう一押し欲しかったところになります。

パーティーメンバーはみな義理人情に厚い素晴らしい仲間たちで、共に凶悪な敵に立ちむかう様は頼もしい限りなのですが、彼ら彼女らの掘り下げはもう少し欲しかったなと感じました。

特に中盤加入してきたキャラはあまり目立った出番がなく終わったような(自分がやりこみ要素を素通りしてストーリー一直線でプレイしていたせいもあるか)

ただ、その分、主人公シュルクとヒロインの物語としての掘り下げはしっかりされていたと思いますし、後のネタバレで語っていますが、個人的にヒロインがドストライクだったので、上記もあまり気にせず楽しめました。

バトルは簡単で面白いが慣れるとやりこみは物足りないか

ドラクエやFFなど国民的JRPGを通ってきていない非国民なので、RPGに対する苦手意識があったのですが、戦闘のコマンドバトルは覚えてしまえば簡単なので助かりました。

また、シュルクの持つ特殊能力、未来視(ビジョン)の能力を上手く落とし込んだ戦闘システムも、後半に行くにしたがって何度も迫りくる死を回避する必要があり、本作独自の戦略性があって楽しかったですね。

ただ、崩し⇒転倒アーツのゴリ押しコンボで何とかなってしまう戦闘も多かったので、戦闘面でやりこみを求めている方には少し物足りないのかなとも思いました。

総評

最高の音楽と作りこまれた世界観に支えられた物語への没入感は素晴らしかったです。

間違いなく名作なのですが、個人的にノベルゲームの練りに練ったストーリー展開が評価基準としてあるので、ストーリー自体はシンプルなRPGはちょっと分が悪かったかなと感じました。

マップ探索や、やりこみ要素もコンプしてSFファンタジーの世界にどっぷりと浸りたい方は特におすすめできます。

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※ここから本編のネタバレがあります※

 

 

ヒロインが最高だった件について

上では色々言いましたが、ネタバレなしだともうこれに尽きます。

フィオル~~~ン!!!

もう救いてぇヒロイン殿堂入りするほど入れ込んでしまって、物語中盤フィオルンが合流してからは必ずパーティーに入れて、無駄に戦闘を繰り返していました。

彼女に出会えただけでゼノブレイドをプレイして良かったです。

物語序盤で退場してしまった時は確かにショックでしたが、まだ思い入れもなく主人公が外の世界に旅立つ動機付けのためのキャラかと理解していました。しかし、まさかの中盤に再登場して敵か味方かのサスペンス展開、終盤に味方になってからも機神界攻略の要となるなど、本作を語るうえで欠かせない存在でした。

機械の体に改造されて、シュルクと同じ人間でなくなってしまった悲しみを背負いながらそれをひた隠して、彼のために短い命を燃やして彼を守ると誓う。なんて健気なんだぁ。

落ちた腕でのシュルクとの再会の一連のシーンは目頭が熱くなりましたね。

「こんなところで、最初のキスかぁ――—」

はぁ…いいセリフ過ぎる…

僕は悪堕ちものもイケるので、最後はすれ違いでシュルクに倒される悲劇もありかなぁと邪なことを考えていたのですが、ストーリーを進めていく内になんでもいいから彼女に生きていて欲しいと願うようになり、最後エンディングでシュルクと笑いあっている彼女を見た瞬間は「よかったぁ…」と思わずつぶやきが漏れてしまいました。

最後キモい感想駄々洩れでなんとも締まらないですが、以上でゼノブレイドの感想を終わります!